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[ラジオ]2013.01.13放送ラジオドラマ『Copenhagen』番組サイト、ディレクター・ブログ

日本時間では2013.01.14(月・祝)午前5時半より放送となる、BBC Radio 3『Copenhagen』(コペンハーゲン)。番組サイトが出ました。

※【注意】
戯曲「COPENHAGEN」という作品は、原子爆弾製造に一部関わるお話です。原爆開発に関わった物理学者達の対話劇ですので、関連する用語も多く出てきます。人物劇ではありますが、そのようなストーリーなら触れたくない、と思われる方はご注意ください。(※ラジオドラマがどのような内容になっているかは放送前なのでまだ分かりません。あくまでも原作の戯曲の題材のことです)

BBC Radio 3/Drama on 3:Copenhagen

Benedict Cumberbatch, Greta Scacchi and Simon Russell Beale star in Michael Frayn's award-winning play about the controversial 1941 meeting between physicists Bohr and Heisenberg, part of a joint Radio 3 and Radio 4 series of three Michael Frayn dramas for radio - including new adaptations of his novels, 'Skios' and 'Headlong'.

Copenhagen, Autumn 1941. The two presiding geniuses of quantum physics, Niels Bohr and Werner Heisenberg meet for the first time since the breakout of war.

Danish physicist Bohr and his wife, Margrethe, live in Nazi-occupied Denmark; their visitor, Heisenberg, is German. Two old friends, now on opposing sides, who between them have the ability to change the course of history.

But why has Heisenberg - Bohr's former protege - come to Copenhagen?

Michael Frayn's Tony award-winning play imagines the three characters re-drafting the events of 1941 in an attempt to make sense of them. A powerful exploration of the uncertainties of human memory and motivation.

This new version of Copenhagen is adapted for radio and directed by Emma Harding

CAST

Margrethe Bohr .... Greta Scacchi
Niels Bohr ..... Simon Russell Beale
Werner Heisenberg ..... Benedict Cumberbatch.

原作は、トニー賞も受賞しているマイケル・フレインの『Copenhagen』。ベネディクト・カンバーバッチ、グレタ・スカッキ、サイモン・ラッセル・ビールの3人で演じるこの新ラジオドラマは、『Copenhagen』にマイケル・フレインの他の2作「Skios」と「Headlong」を加えて新たに書かれたものとのこと。

このラジオドラマのディレクターEmma Hardingが、どのようにこの作品を作り上げたかをブログにupしています。

BBC Radio 3:Copenhagen - The director's blog

量子力学の分野で有名な物理学者、不確定性原理、相補性原理などなど。演じる役者が複雑な科学知識に自信を持つことが重要であるため、ディレクターは読みあわせに物理学者でありアナウンサーであるJim Al-Khaliliを招き、役者がボーアとハイゼンベルクの研究について詳細を確認できるようにしたようです。それが功を奏し、読み合わせが終わる頃には役者もディレクターもドラマを作り上げる科学についてしっかり掴むことができたとのこと。

また、このドラマは科学についてのドラマであり、同時に人物劇でもあります。

But the play itself isn’t about science.  Or rather, it is about science, but it’s about science in the context of morality, politics and history. These two physicists are working on opposing sides in a global war and they are both very aware of the potential chain reaction ? that their work on the atom could inevitably contribute to the deaths of millions of people.

These are big ideas. But Copenhagen is also an intimate, domestic drama about a friendship between two men and a perceived betrayal.

Bbcradioplay0111

ベネディクト・カンバーバッチとサイモン・ラッセル・ビールが以前は父子のような親密な関係であった2人をどのように表現するのか、とても楽しみです。

<放送予定>

[現地時間]2013.01.13(日) 午後8:30-午後10:30
[日本時間]2013.01.14(月) 午前5:30
午前07:30

[Kindle版]Copenhagen

新ラジオドラマ『Copenhagen』の土台となっているマイケル・フレインの他の2作「Skios」と「Headlong」。「Skios」は2012年に出された新しい作品。「Headlong」は邦題「墜落のある風景」として和訳が出ています。

<管理人のちょっとした独り言>

3.11以降、放射性物質に様々な反応・想いを持つ方が東日本にも増えたと思うので、敢えて記事の最初に注意喚起を置いていますが、個人的には「Copenhagen」は人間ドラマだと思っています。

注意文を書くほど原爆のことは出てこないじゃないかと思われる方も多いかと思います。最初は不要だと思ったのですが、時期が時期なので念には念を…と思って挙げてあります。

彼らが原爆開発に関わったとされる物理学者達であり、話の中にもウランやプルトニウムなどの単語、アインシュタイン、オッペンハイマーなど、アメリカにおいて憎きドイツを倒すために原爆を作り上げた学者たちの名前もどっさり出てくるので、原爆を完全に横に置いておくことはできないものの、なんというか…「人とは、記憶とは不確かなモノよ…」という後味が残りました。つまりは「不確定性原理」なのですが。

今回のラジオドラマは「Copenhagen」+他2作を足したものだそうなので、どんな演出・ストーリー展開になっているのか全く未知数ですが、原作&TV映画はとても面白く興味深い作品だと思います。物理学には全く縁がなく、むしろ理解不能と思っている管理人がなぜにこの作品に惹きこまれたのか自分でもよく分かっていませんが、難解な物理用語が並び、「量子のふるまいは観察者の状態によって決まる」という原理が“文字の羅列”にしか見えない状態に苦しみながらも、それでも何度となく読み、繰り返して観てしまう不思議な作品です。

原作について、こちらの書評がとても面白く読みごたえがありました。こういう背景を知ったうえで読むと、これまた面白いなぁとどんどん深みにハマっていくのですが…(^_^;

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