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舞台『Frankenstein』鑑賞!ベネディクト・カンバーバッチ&ジョニー・リー・ミラー、ダニー・ボイル演出

山積した仕事を前倒しでなんとかやっつけて、遂に『Frankenstein』鑑賞です!

Frankenstein_programmes

2011年3月2日 19:30開演
National Theatre:Olivier Theatre

The Creature:ベネディクト・カンバーバッチ
Victor Frankenstein:ジョニー・リー・ミラー
脚本:ニック・ディアー
演出:ダニー・ボイル

5月2日まで上演でまだ鑑賞前・ネタバレ回避の方もいらっしゃると思うので、ネタバレ全開の感想は続きにて。ネタバレに関係ない部分だけ先に書きます。

鑑賞前日にNational Theatreからアナウンスメールが到着。「冒頭はとても重要なので、見逃さないよう開演時刻には着席していてください」

チケットは現地Boxofficeで受け取り→19時少し前に現地に到着。有人のカウンターは少し混んでいたので、予約時に使ったクレジットカードを読ませればいい無人キオスク(両替機くらいの大きさの機械)を利用。当日のチケットだけ出てくるかと思いきや、予約した全公演分が出てきてちょっと焦る。なくさないようにしなきゃ(汗)

『Frankenstein』はOlivier Theatreでの上演。入り口は2nd Floor(日本でいう3階)なので、ひたすら階段を昇る・・・(エレベータもあり)。NTにはカフェ&レストランがあるので、もう少し前に行って現地で食事を取るのもいいかも。マチネなら、2品+グラスワインで£10のお手頃コースも。さくっと食事をしてから行ったのでカフェは利用しなかったものの、並んだケーキが美味しそうで・・・

劇場は開演20分前くらいにならないと開かないのであまり早く行っても待たされるだけ。扉の前には開場を待ってワインetcを飲んでる人がひしめいてました。すんごい人口密度で人酔いしそうだったalexはロビーに避難(^_^;書店でぶらぶら。

15分ほど前になって上がると、もうドアが開いていたのでさくっと中へ。劇場は1000人収容だそうですが、全然<大ホール>な気配がなく、ちょっとびっくりしました。alexの席は前から4列目。Bennyの瞳がクリアに見える距離。マイクなしの生声なので、席の位置によっては少し聞きづらいかもしれません。Bennyやジョニーは大丈夫ですけど、もしかしたら女優さんの声が小さ目かも・・・

この先はネタバレなので続きにいきます。

とりあえず一言だけ。

Incredible!

★★★ネタバレ注意!!!★★★

※英語だけで鑑賞しているのと、まだ1度しか観ていないのとでちょっぴり記憶があやふやです。間違えている部分もあると思いますので、あらかじめご了承ください。後で訂正する可能性があります。

alexは役者メインで観ているので、原作との比較はしていません。原作と比較すると突っ込みどころ満載になる可能性が大なので、比較は後ほど落ち着いてから。やりたくなったらやります。あくまでも、ベネディクト・カンバーバッチを目的に鑑賞した感想です。

「愛せないならなぜ創った?」

会場に入ると舞台は真ん中部分がぐるぐると回っており、そこに革を張り合わせた円形の装置(薄い円形の膜みたいな感じ。貼り合わせてあるので前から見ても後ろから見ても中は見えない)が立っています。そして数分毎に鳴り響く大きな鐘の音。

突如、ゴーン!と鐘が鳴るので(鳴らす係がいる)、びっくりして振り向く人多数。真ん中の通路(3~4?)から入る席だと、通路の頭上にぶら下がる鐘から伸びた紐と鳴らす係とすれ違えそうな気配。

舞台は中央の通路につながる形で一部が伸びており、もしかしたらキャストは通路を通ってここに上っているかも(座席がもっと前だったので昨日はそこまで分からず。2階席の日もあるので、分かったらまた詳細をup予定)。

席に落ち着いて見るともなく舞台上の丸い革張り装置を見ていると、何やら中でうごめく人影が?!

じぃーっと見つめてみると、やっぱり中に誰かがいます。最初は<人影?>くらいだったものが、中から革を押す手の形が見えたり、革に押し付けられる足やお尻の形がはっきりと分かるように。

舞台の『Frankenstein』は、原作にある最初の部分を端折って、The Creatureが生まれるところから始まる、とは分かっていたので、あぁ中にいるのは生まれる前のThe Creatureなんだな、と思ったところで、もしかして中にいるのはBenedict!と期待もまた高まることに。

丸い革張りの袋のようなものは子宮で、中にいるThe Creatureは胎児の状態を表しているような感じ。最初おぼろげだった影が徐々に人の形になっていくのも、手の指などのパーツが見えるようになるのも、中から身体のいろんな部分を押し付けてくるのも、それが部分的に見えるのも、胎児の成長過程を思い浮かべさせる。形がクリアになればなるほど、生れ落ちる時が近づいていることを知らせているよう。

そして、照明が落ちて、幕が開く。

へその緒と見られる紐を握った人の形が浮かび上がり、中からThe Creatureが出てくる。最初は上半身だけ、次に下半身まで、最後に全身。

生れ落ちたばかりのThe Creatureは、音にしかなっていない声を上げ、全身を痙攣させ、舞台上を這いずり回る。うまく力が入らないのか、関節が曲がらないのか、要領がつかめないのか、苛立ちとも取れるような叫び声を上げながら少しずつ自分の身体がコントロールできるようになり、最後にはなんとか立ち上がり、危なっかしいながらも歩き、走り回れるようになる。

動きすぎて疲れたのか倒れこんだままでいるところに、1人の男がやってくる。彼はThe Creatureが外に出ていることに驚き、彼が動き回ることに驚くが、縫い目だらけの醜悪な様を見てフード付のガウンのようなものを投げかけると逃げ出してしまう。

1人残されたThe Creatureはガウンだけを身につけ、あちこちを彷徨い歩く。出会った人間全てに叫ばれ、憎まれ、棒で打ち叩かれながら、彼は道具を使うことや出会った人間がたまたま残していった衣服を身に着けることをいつの間にか覚えていた。

ある日、腹を空かせたThe Creatureは、山の中の一軒家に入り込む。そこは若い夫婦と盲目の父親が住んでいる家で、夫婦は畑に出て行った後だった。人の気配を察した老人は泥棒と間違えてThe Creatureに自分の食事を与える。自分が弾いたギターにThe Creatureが興味を示したことに気づいた老人は、The Creatureに音楽が好きなのかと問うが、The Creatureが返せた言葉は、最近自分を打ち叩いた男が言った“Piss off!”、“Bugger off”の二言だけだった。

目が見えない老人は、The Creatureがどんな姿かが分からない。顔を知りたいとThe Creatureの頭に手で触れ、頭部に走る大きな縫い目を戦争の負傷と勘違いする。

The Creatureが言葉を知らないことに気づいた老人は、アルファベットから教え、The Creatureは驚くべきスピードで言葉だけでなく読み書きまで覚えていった。狩りや薪作りも覚えたThe Creatureは、こっそりと獲物を老人の家に届け、若夫婦はそれを妖精の仕業と思って喜ぶ。

The Creatureと老人は友達となった。しかし、The Creatureは今の状態が老人が自分の姿を知らないから成り立っているだけだと理解しており、老人が若夫婦にThe Creatureを紹介しようとするのを拒み続ける。

若夫婦の妻が妊娠し、お腹が大きくなったある日、老人は今日こそはThe Creatureを若夫婦に紹介しようと決意した。「彼らは必ず自分を憎む」。そう渋るThe Creatureに、老人は言った。「お前はいい人間だ。若夫婦もきっと分かる。彼らがお前を憎むようなことは絶対にない。私が約束する」。

しかし、老人とThe Creatureが並んで立っているのを見た若夫婦は驚きと恐怖に叫び声を上げ、老人を害そうとしていると誤解してThe Creatureを打ち叩き、追い払った。老人が彼は友達だと言っても、The Creatureの外見を見た若夫婦には通じない。

「約束したのに」

裏切られたThe Creatureは、憎しみを覚え、復讐を覚えた。

The Creatureは、老人と若夫婦が暮らす家に火を放った。

The Creatureはヴィクター・フランケンシュタインを探す。生れ落ちた直後The Creatureを捨てたヴィクターは、逃げ出す時に研究の子細を書き残した手帳を落としており、それはThe Creatureの手元にあった。

ヴィクターの婚約者や使用人達はヴィクターの幼い弟ウィリアムとかくれんぼをして遊び、オニになったウィリアムを湖のほとりに残して婚約者達は物陰に隠れる。ウィリアムがすぐに探しに来ると思って。

しかしその時、ウィリアムにはThe Creatureが近づいていた。「振り向いちゃダメだよ」The Creatureの言葉に素直に従うウィリアムに、The Creatureは一緒に遊ぼうと持ちかけ、ウィリアムは喜ぶ。

「名前はなんていうの?」

The Creatureは答えに窮した。名前は・・・与えられていない。創った人間は、自分を捨てた。

ヴィクターを誘い出すため、The Creatureは幼いウィリアムを殺し、その亡骸をボートに乗せて送り返した。悲嘆にくれるヴィクター達。ボートには、ヴィクターが以前に失くした手帳の一部も入っていた。禁忌に挑戦して創ったものが動き出したあの日、失くしてしまった手帳。ウィリアムを殺した犯人に心当たりが浮かんだヴィクターは、山にモンスターが出ると聞き1人山に入る。

The Creatureはヴィクターを待っていた。ナイフを向けるヴィクターに、The Creatureは請う。

「自分に妻を創ってほしい」

The Creatureの望みはただひとつ、<愛されること>だった。The Creatureの姿を見た人間は、誰も彼もがThe Creatureを忌み嫌う。中身ではなくその外見だけで、The Creatureを憎む。創り主のヴィクターでさえ、The Creatureの醜悪な外見を愛せなかった。

友達が欲しい。
自分を憎まない存在が欲しい。
この外見が人を恐れさせるのならば、自分と全く同じ種類のもう1人を創ってほしい。
そうすれば、自分は妻と共にこの地を去り、別の場所で自分達だけのパラダイスで生きる。(※「パラダイス」は、盲目の老人が教えてくれた言葉)

ヴィクターを呼び出す為にウィリアムを殺したThe Creatureに銃を向けていたヴィクターは、しかし、The Creatureが様々な事を学習し、成長していることを知って驚く。読み書きだけでなく、The Creatureが<感情>も覚え、さらには<愛>がどのような気持ちかも表現して見せた時、その驚きは、<命>を創り出した自分自身への賞賛に変わった。

人を創り出すこと。神にのみ許された業。

それを、成し遂げた自分。

自分の創り出した者は言う。自分にパートナーを与えれてくれれば、二度とヴィクターの前には現れない。約束する、誓う。

自分をMasterと呼び、土下座せんばかりにそう請い続けるThe Creatureに、ヴィクターは約束した。

もう1人、創ろう、と。

The Creatureは歓喜する。ヴィクターは、ウィリアムの葬儀や目前に迫っていた自分の結婚式を全て放り出してイングランドに向かった。死体を集めて<人>を創り出す為には、それなりの環境が必要になる。激怒する父と、自分も助手として連れて行けと渋る無学な婚約者を振り切って作業場に着いたヴィクターは、医学の研究の為と偽って荷物運びをした親子に女性の死体集めも頼み、再び禁忌に挑む。

最後となる死体が運ばれてきた。女のCreatureは完成間近だった。

一息ついたヴィクターの前に、ウィリアムの亡霊が現れる。「この女Creatureは子宮があるの?子供が生めるの?この種は増えていくの?」

ヴィクターは今まで考えたこともなかった指摘に言葉をなくす。

出来上がりの様子を見に、The Creatureが現れた。ヴィクターは、「完璧なものが出来た」と誇らしげにThe Creatureに言い、彼女を膜から出してThe Creatureに見せた。

身体には繋ぎ合わせた縫い目があるものの、女Creatureの頭部は無傷でヴィクターの言葉通り美しかった。

彼女を女王のように着飾ろう。ヴィクターはThe Creatureにそう言って一旦女Creatureを膜に戻す。喜んだThe Creatureはヴィクターの指示通り箱から衣装を出そうとするが、そこにはガラクタしか入っていなかった。まさかと思って駆け寄った作業場では、ヴィクターが女Creatureを殺害したところだった。

悲しみにむせび泣くThe Creature。彼女のように完璧なものが、醜悪なお前を愛すると思ったのか?と言うヴィクター。醜悪な出来になったThe Creatureと違い、今度の女Creatureはヴィクターの中でも最高の出来上がりだった。しかし、それをThe Creatureに与えることは出来ない。同じ種を持つことなく、お前はひとりでいるべきだ。

The Creatureは復讐を誓い、ヴィクターは強引に様子を見に来た父親に連れられて家に戻った。

ヴィクターと婚約者のエリザベスはようやく結婚した。

結婚式の夜、今まで自分に指一本触れなかったヴィクターとの初夜をエリザベスは心待ちにしていた。しかし、そこに入ってきたヴィクターは、夜着ではなく武装までしていた。

隠し切れず、ヴィクターは自分が犯した間違いをエリザベスに告白する。神にのみ許された領域に自分が手を出したこと。禁忌を犯し、<命>を創り出したこと。その結果が、今自分達を脅かしていること。

教育を受けていないエリザベスは、ヴィクターの話の内容が理解しきれないのかズレた言葉を返す。ヴィクターの説明を受けて徐々に理解し、彼の行なった事に驚くが、「これから、ベッドで2人で命を創り出していけばいい」と言う。

The Creatureを殺したら。ヴィクターはそう言ってエリザベスを残し、出て行ってしまった。

1人残されたエリザベスに、ベッドに潜んでいたThe Creatureが近寄る。後ろから羽交い絞めにし、自分の顔を見ても叫ばないことを条件に、The Creatureはエリザベスを解放した。The Creatureを見て驚いたエリザベスだったが、友達が欲しいという彼に自分が友達になる、と言う。

The Creatureが先ほどヴィクターが自分に告白した、彼が創りだした物であることをエリザベスは瞬時に理解する。その出来に驚嘆し、ヴィクターは天才だと褒めるエリザベス。The Creatureが言うとおり彼の頭を触ったエリザベスは、暖かさを感じて驚く。The Creatureには体温があり、彼の胸に手を当てれば鼓動を感じられる。

「何もしない。約束する。だからここ(ベッド)に座って」

The Creatureの言葉を信じ、エリザベスは彼の隣に並んで座る。The Creatureは彼女に言った。

"Slowly I learnt the way s of humans: how to ruin, how to hate, how to debase, how to humiliate. And at the feet of my master I learnt the highest of human skills, the skill no other creature owns: I finally learnt how to lie."

「少しずつ私は人間について学んだ。どのように破滅するか、どのように憎むか、どのように品性を落とすか、そのように辱めるか。そしてマスターの足下で私は人間のスキルの中で一番高度なものを学んだ。他のどんな生き物も持っていないスキル - 私は最終的にどのように嘘をつくかを学んだ」

The Creatureの言葉の意味を悟ったエリザベスは逃げ出そうとするがThe Creatureに捕まえられる。精一杯の抵抗も虚しく犯されたところに、ヴィクターが飛び込んできた。弱弱しくヴィクターを呼んだエリザベスを、The Creatureは首を捻って殺し、その場から逃げ去った。

ヴィクターはエリザベスを生き返らせようと考える。自分にはそれが出来る、と。

しかし、使用人や父親は当然のことながらヴィクターが錯乱したと思い、エリザベスの遺体からヴィクターを引き剥がす。

雪山。The Creatureはワインと食べ物を並べる。そこに、ソリをひく男が現れる。力尽きる寸前の男はヴィクターだった。食べ物とワインを口にした後、ヴィクターは動かなくなる。

死んだように見える彼を前に、The Creatureは取り乱す。

Masterがいないと一人ぼっちになってしまう。Masterがいるから自分もいるのに。死ぬとはどんなことだ?自分は死ねるのか?置いていかないで、Master。

もうダメかと絶望しかけた時、ヴィクターが息を吹き返した。ヴィクターはThe Creatureに、行け、という。お前は完全に破壊されなければならない、と。

The Creatureは立ち上がり、ヴィクターにも立ち上がれと告げる。どこまでも自分を追いかけてきて、自分を壊せばいい、お前の創造物を破壊すればよい、と。

軽やかに進むThe Creature。よろめきながらソリを引いてThe Creatureに続くヴィクター。

The End.

(※余計なお世話の豆知識。英英語:learnt/米語:learned。スペルミスじゃありません)


The Creatureを演じた日は消耗が半端なく激しいから写真を載せないで欲しい、とBennyは楽屋口でお願いしているそうですが、その「半端なく消耗」の意味が舞台を見てものすごくよく分かりました。

The Creature、ほんっとに動きが激しいのです。冒頭から、全身を痙攣させたり、腕だけである程度まで身体を持ち上げたり、転んだり、不自然な体勢や姿勢を取り続けたり・・・。

動き方を覚えてからは、飛んで跳ねてよじ登って、滑り降りて・・・。

Bennyは骨格が華奢というか、骨が細い人のようですね。服を着てないシーンが冒頭20~30分ほどありますが、足首の細いこと、脚の細いこと(しかも長いから余計)、あばらの見えること。なまじ身長があるだけにですね、ポキッと折れちゃいそうでコワイ・・・。

これで5月まで大丈夫なんですかっ?!と本気で思います。

それでも腹筋だけは6-pack(といってもハリウッド並みのムキムキじゃなくてうっすら6-packです)なので、さすが役者さんだなと思いますが。

今日の夜公演はジョニー・リー・ミラーがThe Creature役なので、彼のバージョンも楽しみです。ジョニーの場合は首の太さとかBennyと比べた時段違いなので、たぶん折れちゃいそうなか細さはないんだと思います。(予告編で2人の首の太さの違いに目が点になったのはきっとalexだけではないと思いたい)

感想を書き上げるにはまだもうちょっと時間が必要・・・。あれもこれもと思い出されて、一晩だけじゃ熟成してない感じです(^_^;

とはいえ、未消化モードなりに感じたことをちょこっとメモ。

まず、The Creatureが切ないです。

知能や記憶力を持って生まれても、教えてくれる人や導いてくれる人は盲目の老人に会うまで誰もおらず。

向けられるのは恐怖や嫌悪感からくる叫びと、「異質」を排除しようとする言葉&物理的な暴力。

The Creatureが何度も口にする言葉。

「望まれて創られたわけではない。創って欲しいと頼んだのではない」

なぜ、自分を創ったのか。愛せないならなぜ?

彼が鏡を見るシーンはないものの、自分の外見が他の人間とは違い、人間は自分の外見を忌み嫌うことだけは身に染みて覚えさせられて。

食べたい、知りたい、愛されたい。

子供のように純粋な内面と、グロテスクな外見。

知能は相当高く、文字通り子供が物事を覚え吸収するように、短時間で様々な事柄~知識だけでなく、感情までも~を習得。

ヴィクターの計算外だったことは、<動く人間の形をしたもの>が創り出せれば・・・くらいだったところに、<知能だけでなく感情までもを有する高機能なモノ>が生まれてしまったことなのかも。

The Creatorを脅かすほど、想像を超えたThe Creature。

手に余るなら創るな、何が起きても責任を取れ、取れないなら手を出すな。

ヴィクターにはそうコンコンと説教をしてやりたくなりますが、よくよく考えれば21世紀の今でも通用すること。時代が代わり、科学が進歩しても、生活が便利になっても、人間の本質は変わらないと、そういうことでしょうか。

感情のままに動くThe Creature。善悪についての最低限は盲目の老人から教えられたようですが、「生まれ落ちた時に自分を創った人物から捨てられた」原体験は相当な深さで彼の中に根付いており、裏切りに死をもって報いる残酷さに繋がるのだろうか、と思います。

愛情と憎しみは背中合わせ。

自分に知識と友情を教えてくれた老人をも焼き殺せる激情。それは、自分をさらに孤独にしてしまうだけのものでもあるけれど・・・。そしてそのこともきっとThe Creatureは気づいていただろうと思ったり。

The Creatureは、感情が生身過ぎてとっても痛々しく、そして何かしら重なるのか観ている方も胸が痛い瞬間があり、The Creatureを中心にブンブン振り回される2時間でした。

あのシーンのあれが、とかあのシーンの彼が、とかいろいろ語りたいのにまだまだ未消化っぽくて言葉にならないのがもどかしいです。

ついでに言うなら、欧州の話なので当たり前ですけど、根底がキリスト教ですね~。(alexは教えてくれと頼んだわけでもないのにキリスト教を教え込まれた人なので(苦笑)、嬉しくないのにある程度分かってしまう体質です)

ま、欧米で生活経験ありor英語バリバリの方はキリスト教は逃げて通れないものなので今更ですよね(^^;

「失楽園」なんかも出てきます。The Creatureはサタンの気持ちが分かると。(長くて読みづらい話でしたが、サタンの気持ち、分からなくもないとThe Creatureに賛同)

あぁ、結局まとまらない。ということで、鑑賞を重ねるごとに「げ、勘違いだった」と気づいて訂正する可能性大ですが、レポート第1弾でした!

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