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[舞台]ベネディクト・カンバーバッチ舞台出演作『Hedda Gabler』『Rhinoceros』鑑賞方法:V&AのThe National Video Archive of Performance

TVドラマ『SHERLOCK/シャーロック』でブレイクする以前から、ベネディクト・カンバーバッチは舞台俳優として高評価を得ていました。

その中で、ローレンス・オリヴィエ賞助演男優賞にノミネートされた2005年の舞台出演作『Hedda Gabler』と、2007年の『Rhinoceros』の2作品が、ロンドンのV&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)のThe National Art Libraryで鑑賞可能です。

1月に渡英した際、直前にフォロワーさんから教えて頂いて速攻で予約を取り、無事この2作品を鑑賞してきました(うろこさん、大感謝です!)。ベネディクト・カンバーバッチの舞台作品に興味のある方もいらっしゃると思うので、鑑賞方法をまとめておきます。

Va_bcumberbatch_thatrearchive

ちなみに、『Frankenstein』と『After the Dance』はNT(the Royal National Theatre:王立劇場)で上演された作品なので、WaterlooにあるNT Archiveで鑑賞可能です。ここの予約の入れ方も別記事でupします。

V&Aが所蔵していて鑑賞可能な作品一覧:The National Video Archive of Performance

The National Art Library at the V&A:Hedda Gabler

The National Art Library at the V&A:Rhinoceros

この2作品に関して、Q&Aでのベネディクトの様子については、非公式バイオ本「ベネディクト・カンバーバッチ 覚醒」で細かく触れられています。管理人もこれを読んで、アーカイヴがあるならいつか観たいと思っていたので、今回V&Aで鑑賞できて大満足でした。

予約方法はThe National Video Archive of Performanceの中に書いてあるとおりです。が、これだけでは予約→鑑賞までのイメージがわかないかもしれないので、管理人の辿った足跡をレポートしておきます。

【注意】1-2人で鑑賞するか、グループで鑑賞するかで予約方法と観賞場所が変わります。管理人は1人行動だったので、このレポートは1-2人で行く場合限定です。

  • 1-2人の場合:OlympiaにあるBlythe House。(Barons Coartから行った方が交通の便は良し)
  • グループの場合:South KensingtonにあるV&A博物館内Sackler Centre for Education。

※V&A博物館本体は、South Kensingtonにあります。

<The National Art Library at the V&Aへの予約方法>

詳細は公式サイトでも確認してください→The National Video Archive of Performance

Arcives ←開閉館時間、閉館日などOlympia館の基本情報

1.サイト上にあるメールアドレス宛に英語で予約メールを送る。

2人までの場合はtmenquiries★vam.ac.uk、グループの場合はbookings.office★vam.ac.uk。※正しいメールアドレス形式に変えてください

「○○という作品を鑑賞希望。希望日は○月×日、○月×日、○月×日のいずれか(午後からなど時間指定がある場合はそれも入れる)。私の名前は○○○です」

シンプルにリクエストするだけでOKです。再生機器+モニターは3-4セットしかないので、満席で予約が取れない場合を考えて、鑑賞希望日は3つくらい入れておくと、1回のメールやり取りで完了します。

リンク先ページ下部のリストにある作品が鑑賞可能です→The National Video Archive of Performance

Olympia(1-2人鑑賞)は、それほど待たずに返信が来ます。開館時間中ならば3-5時間ほどでしょうか。日本-ロンドンは9時間(夏時間中は8時間)時差がありますので、さっさと日程を確定させたい場合は日本時間で19時以降に予約メールを送ると、遅くとも翌朝~翌日中には予約が完了すると思います。管理人は23時半にリクエストを出して2時半に予約完了メールが来ました。

2.返信メールを確認する

希望日のどこかが空いていれば、「あなたの予約を取りました。○月×日△時より、作品はAAAとBBB」と次のような返信メールが来ます。(管理人はHedda GablerとRhinoscerosを予約)

Thank you for your e-mail.  We have made an appointment for you at 10.15am on ○月×日 to view Hedda Gabler and Rhinosceros.  Details are given below regarding registration (which can be done on-line before your visit) and how to reach the reading room.

管理人は希望時間を指定しなかったので、Theatre & Performance Collectionsが開く10:15スタートに。希望日が満席だった場合はその旨が返ってくるので、別の希望日を出すなり諦めるなり、日程に合わせて決めてください。

返信の中に、「当日、写真入りの身分証明書と、公共料金請求書など住所が確認できるものを持参すること」と書いてあります。住所を証明できるものって…と悩みましたが、身分証としてパスポートを提示したのでただの旅行者と判断されたのか、住所証明は不要でした。UK在住者は必要かもしれません。

3.Web上から事前登録を行う(重要!)

V&AはReader’s Passという2年間有効なパスを発行します。↑上の写真右下にある紫のカードがそれです。

現地で申込書を書くのではなく、事前にWeb上で住所氏名などを登録して、当日、現地ではカードを受け取るだけの手順となっていますので、必ず事前登録を済ませ、仮登録番号を控えてから観賞場所に向かうこと。

登録:http://bit.ly/NewReaderRegistration

「New User/Re-Register」のボタンを押すと「Self Registration」ページが出ますので、必要事項を入力してください。問題なく登録できると、画面上に6桁(○○○○○-○)の数字が表示されます。これが仮登録番号です。当日、現地でこの番号を聞かれます。絶対にメモって行くこと。

4.現地へ行く

1-2人場合はBlythe HouseにあるThe Archive and Library Study Roomです。管理人はGoogle Mapを使ってBarons Courtから行きました。歩いて10分ほどの場所です。

入り口はGate B。庶民的なNT Archiveと異なり、周囲をフェンス&監視カメラで囲まれた建物(TTSSのロケ地でもあったはず)。

フェンス沿いにひたすら歩くと、Gate Bに辿り着きます。門柱についているインターフォンを押し、「Hello?」と係員が応答したら、「ビデオ・アーカイブに予約しています」と言えばOK。名前を聞かれるので名前を言うと、門の電子ロックが解除されます。

門を開けて建物に入り、「Visitor’s reception→」などの表示に従って受付まで。入り口からちょっと距離がありました。受付で身分証明書を見せて、Visitor用のカードを受け取ります。

トイレはそっち、アーカイヴの入り口はそっち、と受付の係員の説明を聞き、Reading Roomへ。

その際、手首にこのVisitor用リストバンドを巻かれます。

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よくロンドンのレッドカーペットで使われるリストバンドで、ちょっとやそっとでは切れません。帰りに「リストバンドを切っていくかい?」と係員が訪ねてくれますので、その後どこかへ行く方は切ってもらった方が無難。記念にこのまま~♪とやると、ちょっと恥ずかしいかも?(笑)

5.Reading Roomへ入る

コート、鞄は持ち込み禁止。受付にあるコートハンガーにコートを掛け、鞄をロッカーに入れて鍵をかけたら、Reading Roomに入ります。後で身分証明書が必要になるので、パスポートなど身分証明書は持って行った方が便利です。(登録が終わった後、パスポートはロッカーに戻します)

事前登録で控えた仮登録番号を伝え、身分証明書を見せると、Reader’s Pass(↑上の写真右下にある紫のカード)を渡されます。カード裏面に署名する欄があるので、渡されたマジックで署名。係員に渡される利用規約書にも署名。Reader’s Passは退室までスタッフがカウンターで預かるとの事で、スタッフに戻します。

タオルやティッシュ、ノートは持ち込み可能。ボールペン、シャーペン使用不可。筆記具を持ちこむと、カウンター預かりとなり鉛筆を渡されます。カウンターにいるスタッフは入れ替わるので、カウンター預かりとなった筆記具を返してもらうのを忘れないようご注意(←シャーペンを忘れてきましたw)

液体を絶対に持ち込まないように!!など諸注意の説明があった後、「今日の予約作品はAとBですね」と確認され、どちらを最初に観るか聞かれます。

ちなみに、1回の訪問で鑑賞可能な作品は3つまで。予約時に3つ全部伝えていなくても問題なし。予約後~訪問までに新たに観たい作品が増えた場合は、当日係員に「Cも観たいのですが…」と言ってください。他の人が予約を入れていなければ観られると思います。

当日追加の作品は、倉庫から鑑賞室に持ってくるまで最長30分かかるようなので、追加作品が決まっている場合は先に伝えておいた方が時間をロスしません。

最初に観る作品を決めたら、そのメディア(DVDだったりVHSだったり)を渡され、隣の小部屋へ案内されます。「ここでどうぞ」と指定された席に座ると、「操作方法など分からないことがあったらいつでもカウンターに来てください」と言って係員がカウンターに戻るので、DVDまたはVHSを入れてヘッドフォンをつけて鑑賞開始!

20インチくらいのブラウン管TVなので2人で観るのはちょっぴり窮屈かもしれません。

再生が始まっているのにヘッドフォンから音が出ない場合は、ヘッドフォンのラインを辿り、スイッチが今見ているメディア(DVDかVHS)に入っているかチェックしてください。

鑑賞が終わったらカウンターにメディアを返しに行きます。そうすると、複写になったレシートが渡されます(上の写真のピンクの紙)。2本以上ある場合は、次の作品を聞かれる/渡されるので、1本目と同じように指定/受け取って席に戻り、また鑑賞。

予定をすべて消化したら、スタッフにお礼を言ってReading Passを受け取り、Reding Roomを出、ロッカーから私物を出して受付(Reception)へ。Visitorカードを返して建物の外へ。

門を開けて外に出ると、インターフォンで係員が「Thank you!」と声をかけてくる場合もあります(いきなり声がしえたのでビビりました・笑)

これで鑑賞終了です。お疲れ様でした。

※管理人の施設感想

◆鑑賞室は寒いです!(2014年1月時点)

温風が上に向かって出るポータブル・ヒーターらしきものがありましたが、部屋に1つしかなく、しかも部屋全体を暖められない非力さ。温風口に手をかざすくらいしかできないので、身体は温まりません。とにかく深々と冷え込んで、足の先から寒さが染みて半泣きでした(^_^;

寒さに弱い方は防寒対策してください。隣の人がブランケットをかけていたので、もしかしたら貸し出しなどあるかもしれません。

◆2つ目のトイレが遠い

Reading Roomの反対側にマルチトイレが1つあります。いつでも利用可能ですが、利用中だった場合、さらに奥の方にあるトイレを使うことも可能です。「トイレはこっち」の表示に従って進んでいくのですが、電子施錠されたドアを5つ前後開けて、簡易版回転扉みたいなものをくぐって、やっとたどり着きました。ギリギリまで我慢してからのお手洗いダッシュは避けた方が無難かもしれません(汗)

ドアは電子ロックがかかっているので、受付で渡されたVisitorカードをかざして解錠します(←小くてシンプルな読み取り機なので見落とさないようご注意を)。

◆画質はあまりよろしくない

『Hedda Gabler』はDVD、『Rhinoceros』はVHSでした。画質はそれほどよくありません(でも別に波打つわけではない)。NT Archiveで『Frankenstein(2012上演)』を鑑賞済みの方は、あそこまでのクオリティを期待してはいけません。2005年、2007年の作品なので仕方がないかと。

◆携帯は持ち込み可能

必要に迫られてスタッフの隣で使いましたが、咎められませんでした。

◆「The arsonists」はスクリプトのみ。映像はなし

ベネディクト・カンバーバッチ出演作『The arsonists』が全体カタログ内にありますが、これは映像ではなくスクリプトだけです。

◆どちらか1本だけしか観られないなら…

『Hedda Gabler』(121分)の主人公は、ベネディクト・カンバーバッチが演じるテスマンの妻Hedda Gablerなので、ベネディクトではありません。ベネディクトは学問にしか興味がなく、叔母に頭の上がらない、少々見栄を張る所もある人物。出演シーンは全体の1/3くらい。ローレンス・オリヴィエ助演賞ノミネート。

『Rhinoceros』(140分)は、周りの人間が順番に犀になっていってしまう話。職場の人や町の人がサイになるのを見て自分もサイになったらどうしよう!と心配し、親友が目の前でサイ化したことでパニくり…。ベネディクトはほぼ出ずっぱり。セリフ多いです。


2作品をぶっ続けで観ると結構疲れます。集中力が落ちます(苦笑)

どちらも2時間超えで、2作品とも観ると約4時間半くらいになるでしょうか。ただ、NT LIVEのように日本上陸する可能性も、DVDなどメディア化される可能性もない(Public Viewing不可)ので、興味のある方はアーカイヴでご覧になるのはありだと思います。

1人で行っても大丈夫です。V&AのArchive自体は様々な分野の調べ物が出来るようなので、ビデオに限らず利用してみたいとちょっと惹かれています。専門分野がある方にはすごく重宝しそうですね。

ということで、29歳、31歳当時のベネディクト・カンバーバッチ出演舞台作品『Hedda Gabler』『Rhinoceros』鑑賞方法でした。

※すべて2014年1月時点の情報です。その後変更などあるかもしれません。

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