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舞台『Frankenstein』100%ネタバレレポート その2

2011年3月、ロンドンのNational Theatreで鑑賞した舞台『Frankenstein』のネタバレレポートその2。(その1はこちら→舞台『Frankenstein』100%ネタバレレポート その1

100%ネタバレですので、これから鑑賞になる方は回れ右推奨。

スクリプトはAmazon.co.jpで入手できます。

[Kindle版]Frankenstein, based on the novel by Mary Shelley (English Edition) Kindle版

以下、100%ネタバレです。
※初見時の感想をそのまま持ってきている部分があるので、一部ダブっています。
※2人がそれぞれThe CreatureとVictorを演じているので、スチールも2種類あって、入り乱れます。シーンごとに役が違ってる場合がありますが、自分で撮ったものではないので(当たり前ですね)、ご容赦を。

★★!!ネタバレ100%!!★★

<シーン6~8>
舞台暗転、上から帯状の芝生セットが降りてくる。(手前から奥に向かって敷かれる) 芝生を挟む形で芝生から少し離れたところに鳥の巣が2つ、置かれる。

the Creature、マントを纏ったまま寝ている。

夜明け。朝日が昇り(ライトで奥の壁に半円形の赤い光&客席上部の電灯がたくさんついた照明がオレンジに灯る)、the Creatureが起き、太陽に向かって手を伸ばす。Huh, Huh!と笑う。

左の鳥の巣から鳥が天井に向かって飛び立ち、その音にびっくりするthe Creature。右からも鳥が飛び立ち、the Creatureは楽しそうに鳥の鳴き声を真似る。

※脚本でのこのシーンは、“He's Adam in the Garden of Eden - an innocent.”。純粋無垢な、エデンの園のアダム。(善悪の知識の実を口にするまで、アダムは善悪を知らず、髪の声を聴き、楽園の中のものを愛でる無知で純真無邪気な存在だった)
Jonnyのthe Creatureはワンコモード炸裂(笑) 立ち上がった時にマントが身体から落ち、再び一糸纏わぬ姿ではしゃいでます。Bennyも同じく。

the Creatureが芝生の上にいると、上から水(雨)が。びっくりするthe Creature。そのうち嬉しそうに雨と戯れ、雨が止んだ後は寒くなったのかブルブルと身体を震わせてマントを着込む。

※客席にお尻を向けた姿勢で水を浴び、ブルブルと震えるJonny&Benny。身体を震わせる時に盛大にお尻をブルブルさせる姿が笑いを誘い、大抵、ここで客席から笑い声が。劇場内は空調が効いているとはいえ、暑くも寒くもない状態。降ってくるのがお湯であれ水であれ、舞台上のBenny&Jonnyはかなり身体が冷えるんじゃないかと。その上、盛大に震えなきゃいけないわけで…。風邪ひくなっていうのが無理かも[E:despair]

食べ物を探すthe Creature。芝をむしゃむしゃ食み、その後排泄。

※Jonnyはそのまんまのう○こ座りでムーーッとイキんで「用を足してます」モード。客席からは笑い。Bennyは用足し中と分からない感じ。Jonnyのを見た後で観ると、あぁ、おトイレ中ね。と解釈できる、かな?

座り込むthe Creature、マントのポケットに入っていた手帳を取り出す(Victorのもの)。これは何?とひっくり返してみたり、食べられるか噛みついてみてマズ~となったり、ペラペラペラと捲って起こる風に喜んでみたり。結局使い道がなく、再びポケットへ。

<シーン9~11>
グスタフとクラウスという男が2人、ウサギ鍋を食べようとしている。グスタフはIngolstadtで、女子供が家の中に閉じこもり、男が武装していることを話す。奴らは自分達の影に怯えているんだ、と笑って、パンを求めに明日はAugsburgへ行こうと言ったところで、the Creatureが彼らに近づいてくる。“Gnnah”と唸るthe Creatureにびっくりするグスタフとクラウス。

Gustav:Piss off!Bugger off!

ウサギ鍋を気にしつつ、the Creatureの異様さにグスタフとクラウスはその場を逃げ出した。

the Creatureはいい匂いがすることに気づいて鍋に近づく。無造作に伸ばした手は、熱せられた鍋に焼かれ、the Creatureは火傷を負って飛びのき、痛みに呻く。鍋は熱い、けれど中身は欲しい。the Creatureは用心深く木のスプーンを指先で突き、それが熱くないことに気づくと木のスプーンで鍋の中身を食べることに成功する。お腹がいっぱいになったthe Creatureは、2人が残して行ったリュックサックを枕に、横になった。

※舞台の端にはバーナーがセットしてあり、本物の炎が出てきます。鍋は実際に火にかけられていました。木のスプーンを使うことを覚えたthe Creatureが、スプーンで鍋の中身を掬って口に運んだ時、中身の熱さに口を火傷してハフハフするのですが、ここの動作がおかしくって客席から笑いが。ちなみに、何か分かりませんが、鍋にはちゃんと何かが入ってました。

翌朝。クラウスとグスタフが棍棒などを持ってthe Creatureのところに戻ってくる。リュックサックを枕に寝ているthe Creatureに忍び寄ると、2人は一斉にthe Creatureに殴り掛かった。

棍棒を振りかざし獰猛に殴り掛かり、the Creatureを蹴る2人。

Creature: Waaagh!
Gustav: I'll teach you to scare us!
Klaus: Eat our supper!
Gustav: Now piss off, you ugly bastard!
Klaus: And don't come back!

叩きのめされ、追いやられたthe Creature。怒りと混乱と痛みでうめき声をあげ、くるくると回る。

<シーン12>
舞台上空よりシースルーの幕で四方を囲った家のセットが降りてくる。客席側の壁には、木の根元に座る裸の男と、彼に手を差し伸べる裸の女の絵が、屋根にも裸の男女の絵が描かれている(エデンの園のアダムとイヴ?)。

小屋は盲目の老人De Laceyと息子のFelix、息子の妻Agathaが住んでいる。De Laceyに食事を用意し、テーブルに着かせた息子夫婦は山頂に畑を作るべく、出かける準備をする。石をどけて地面に何かを植えないと、3人は飢えてしまうのだ。

農夫になるなど思ってもみなかった、と笑うDe Lacey。寒さと泥の待っている山頂の開墾は辛い仕事だが、Agathaは明るく朗らかで、Felixはそんな彼女が愛しい。夫婦は手に手を取り合って開墾に向かった。

仲睦まじい2人を遠くからこっそりと眺めていたthe Creatureは、彼らがいなくなった後、こっそりと小屋に近づく。注意深く小屋に近づいたthe Creatureは、入り口でしばし躊躇し、マントのフードを跳ね上げて一気に中に入る。(シーン11の最後に、クラウスとグスタフの荷物の中からシャツとズボンを手に入れていたthe Creature。このシーンより着衣。ここまでずっと、一糸纏わずorマントだけ)

ギターを弾いていたDe Laceyは、物音を耳にしてその手を止めた。

De Lacey:食事を食べなさい、もし欲しいなら。持っていく価値のあるものなど何もない。あぁ、本があったな。とうとう彼らは儂に本を残して行った。

De Laceyはギターを壁に立てかけ、the CreatureはDe Laceyに害意がないらしいことをなんとなく感じる。De Laceyは「自分は盲目だし、何も危害を加えない。食事をどうぞ」と言う。the Creatureは、差し出されたトレーを引き寄せ、食事を口に運ぶ。

De Laceyは、the Creatureが言葉になっていない音を発するのを耳にし、the Creatureに言葉が話せないのか?と問うた。

話せないのは恥じることではない。自分は見えない。砲弾があって…自分は失明した。今は息子が自分の面倒を見てくれる。幼い時彼の面倒を見たから、今は彼が自分の面倒を見る、そんなものだ。兵士がやってきて、厳しい時代になった。人々は抑圧されていない時は兄弟愛に溢れているが、困難な時代になると…誰が友人か分かるものだ。

食事を食べ終えたthe Creatureは、壁に立てかけてあったギターに興味を示し取り上げて少し触った後、De Laceyに突き出す。

Creature: Waaaarh! Pissoff buggeroff!
De Lacey: I beg your perdon?
Creature: Pissoff buggeroff!
De Lacey: Oh, you want some music?

※the Creatureが覚えていた言葉は「Piss off! Bugger Off!(ムカつく!失せろ!)」。これを言われて「音楽をもっと?」と返すDe Laceyは肝が据わっているのか天然なのか(笑) このやり取りに観客は爆笑。

musicという言葉を繰り返そうとして“Mm..moo”となるthe Creature。音楽は神からの贈り物だ、と言ってDe Laceyは「言ってごらん、music」とthe Creatureに教える。なんとか“Moo...sic”とそれらしき音を出すことに成功するthe Creature。

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