投稿日:

[AOC][DVD]『August:Osage County/8月の家族たち』日本版DVD+BD、2014.10.08発売決定

メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツの2大オスカー女優共演、ベネディクト・カンバーバッチが冴えないリトル・チャールズを演じてピアノ弾き語りシーンを披露する映画『August:Osage County/8月の家族たち』の日本版DVD+BDが2014.10.08リリースとなりました。

アマゾン  楽天ブックス

【初回限定特典】16Pブックレット。

※この後は少しネタバレが入った感想です。

毒親を演じるメリル・ストリープが、怪演のレベルにまで達しているというか、ぶっ壊れた家族を描くにしてもちょっとやりすぎというか…舞台で観るなら物理 的な空間距離で薄められてちょうどよくなるかもしれなくても、映像で観ると「…お腹いっぱい」となりかねない暑苦しさで、これでもかと暴れます。

メーターぶっちぎっていい母親役と違い、自己抑制が求められる長女役を演じたジュリア・ロバーツは、これがなかなか微妙な匙加減で、大迫力のメリル・ストリープを受け止め、がっつり組み合っていた感じ。

長女の重責を背負い、バッサリ斬って捨てたいほどの憎しみもきっとあるだろうに、愛情もあり、愛情を求めてもいる長女。ただし、自分が壊れないようにとの無意識のブレーキがかかったのか、さっさと実家を出て結婚した後あまり家には寄り付かない。

末っ子は奔放な恋に生きるつもりで、それでも<幸せ>を手に入れていないあたりに崩壊家庭の傷を感じさせながらも、とりあえず一番幼いポジションということで「私わかんな~い」的ぶりっ子を貫くスタイル。

家に寄り付かない姉妹に代わり両親の面倒を見る次女は、ただし一番冷めていて、とんでもない壁が立ちはだかったことを認識しつつも最後には自分のために家族を切って捨てられる。

観る人によって、観る人が家族内のどんなポジションで育ったかによって感想がガラっと変わる作品かもしれません。(暑苦しいのはベースにあるとして)

いずれにせよ、ドロドロのぐちゃぐちゃで、観終わった後に疲労感をズシンと感じる可能性が高いので、デートムービーには向かないかと。家族団らんで観るのにも向かないと思われます(苦笑)

その辺を乗り越えて観ていくと、ほんの数瞬だけベネディクト・カンバーバッチのピアノ弾き語りシーンで癒されることもあるかも。カンバーバッチが演じるリトル・チャールズは、決してヒーローポジションでもイケメンポジションでもないので、その辺を求める方は要注意。逆に、すっごくイケてなくてダサダサで何をやらせてもダメダメ。けれど彼がそう育ってしまったのには暗い事情があって、それを鑑みると同情の余地しかないキャラと言った方が近いかもしれません。

観終わった後に、どこをどう探しても爽快感とか幸せ感、充実感が見当たらなかったのでリピートすらできていませんが、2大女優だけでなく出演者は実力者揃いのため、一見の価値は十分あると思います。ご興味のある方は是非に。

スポンサードリンク

TOP